執念式＜中編＞

ギシの執念の果実とも言える結婚式で
スピーチの依頼を受ける…さて、どうしたものか。

以下は人生初の・・・結婚式スピーチ、その全容である！


どーも・・・新郎の大学時代の友人、鈴木と申します。
ギャンブルで生活しているケチな野郎ですわ。

いやはや・・・遂に、この日が来ましたか、

感無量ですね〜。

今から6年前のゴールデンウィークにですね、
ギシ君と沖縄の知る人ぞ知る・・・究極のパワースポットに行きまして。

そこは恋愛運が上がるらしいんですけどね…
古墳てゆうんですかね、昔のお墓の中なんです。

真夜中に月明かりを頼りにお墓の中に入って行く訳ですよ。

時計の針は22時を回っておりまして…やだな〜怖いな〜
なんて思いながら、その中心地点に近づいた時にですね、

突然、『歌』が聞こえて来たんです！
 
ビックリしましたよ、なぜかおにゃんこクラブの歌！

ギシ君の着うただったんですね。

電話の相手は隣にいる・・・新婦のA子さんだったんです！

その後、お二人はお付き合いを始めたそうですが、

ご縁て、あるんですね〜。

あのパワースポットでの凄い奇跡を目の当たりにしているので
今日の結婚式は特に感慨深いものがあるんですね。

彼女と出会う前のギシ君は毎日、ワタシの家に遊びに来てました。

口癖が憎いんですよ、

『二人っていいなぁ、喜びは倍、悲しみは半分で済むから』

そんなギシ君もA子さんと付き合い初めてから、
パッタリと音信不通になりまして…今日、実に5年ぶりに会いました！

きっと彼女と二人の方が、喜びは無限大、悲しみはゼロなんでしょうね。

今日からはお互いを見つめていたラブラブな目線を一つ
同じ方向に向けてですね、更なる幸せを掴んで頂きたいと思います。

本日はご結婚、真におめでとうございます。


無難に・・・まとめた（涙）
いや、まとめざるを得なかったのだ。

突き刺す様な眼差しで・・・
こちらを見つめ続ける、ギシからのプレッシャー！！

こっち見んな！！

・・・だから彼女だけ見てろって（涙）。

しかし、この執念こそが・・・幸せを手繰り寄せたのであろう。


奴もまた…究極のギャンブラーである。


やがて、執念・・・いや、結婚式はクライマックスを迎え、

ウェディング・ギャンブルの真骨頂・・・

『ブーケ・トス』が始まった！！！

(続く)